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こころの専門家リレーメッセージ
オンライン相談のメリット
臨床心理士・公認心理師
相田 早織
子どもたちのなかには、カウンセリングルームに行くのがそもそも嫌だ、知り合いに見られたくない、知られたくない、行くのが億劫、つらいといった声も多いので、カメラ内蔵の端末やネット環境さえあれば、どこでも相談を受けられるのがオンライン健康相談の大きな強みだと考えています。
一方で、対面相談と比べると、服装や持ち物、手遊びなどの視覚的な情報が乏しい場合があります。オンライン相談では、画面上に見える相談者の表情や話される言葉などを丁寧に汲み取りながら聴くことを意識しています。
ただし、条件さえそろえば場所が限定されないメリットはとても大きいもの。相談者にとっては、おうち時間を使うこともできますし、放課後、家に戻って自分の部屋でリラックスして話すこともできます。専門家の立場から見ると、部屋の中の置物や整理整頓など学校外の様子がわかるのは、相談者を理解するうえでとても大切な情報になります。
これらは相談者と私たち専門家の双方にとって、オンライン相談ならではのメリットといえます。
オンラインの特性ともいえるこの“気軽さ”を最大限に生かし、心療内科やカウンセリングを受ける前の入口として活用してもらえると、こころの病に対する偏見も薄れるのではないかと期待しています。
オンライン相談はまさに“これから”の段階。どんな些細なことでもいい。ちょっとしたモヤモヤでもいい。気になることがあったら話せる場があるということが安心感につながればいいなと思います。
もともと悩みや不安を人に話すことはとても勇気がいることです。一人で抱えこみすぎてしまうと、苦しくとてもつらいと思います。こころやからだの健康で一人で解決が難しそうなときはぜひ、みなさんの身近な、信頼できる大人に相談してみてください。
アイメッセージを使いこなそう!
アイメッセージの「アイ」は英語の「I=私」。心理学の世界では「アサーション」と呼ばれ、自分の思いも大切にしながら相手も傷つけないコミュニケーション法です。例えば「◯◯されると私は悲しいかな」「◯◯してもらえると私は助かるな」のようなお声掛け。言いたいけど言えなくて心の内に溜め込んでしまうのではなく、柔らかく表現することで、互いに尊重し合える関係のまま自分の思いやお願いを伝えるひとつの方法です。
<この記事を書いた人>
音楽を聞くのも演奏するのも好きで、ピアノを習っていたため、大学の軽音部ではキーボードを担当していました★