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こころの専門家リレーメッセージ
悩める児童生徒へのコミュニケーション(お友だち編)
臨床心理士・公認心理師
相田 早織
見守りの言葉を伝えてみよう
<ケース2:お友だち編>
仲の良かった友だちが一人でいることが多くなり、最近は学校も休みがちで心配です。自分もコミュニケーションは苦手ですが、何かしてあげられることはありますか?
学校生活でよく起こり得る事例です。
あのとき、ああしておけば良かったかも。あのときの行動、良くなかったかな…。
過去を振り返り、自分の対応について不安になることがあります。でも人間関係は複雑で、「このように対応すれば大丈夫!」という答えはありません。しかし、いくつかのポイントを掴んでおけば、お友だちと良い関係を続けるヒントになるでしょう。
まず、仲の良い友だちが「一人でいることが多くなった」とありますが、前とは違う状況をよく察知できていますね。
例えば、
●ひとりでいることが多くなった/友だちとの関わりを避けるようになった
●いつもはよく盛り上がる好きな話題に反応が薄くなった
●笑顔が減った
●元気がない
●体調が悪そう
●よく保健室に行っている
●怒りっぽくなった
このような変化は、こころやからだのSOSのサインかもしれません。
もしお友だちの変化に気づいたら、「前より元気ないように見えるけど、何かあったの?」と声をかけてみてみましょう。
「実はこんなことがあってさ」と教えてくれる人もいれば、「何でもないよ」と何も話さない人もいるでしょう。
お話を聞いたら、悩みを否定せず、「それは大変だったね」とお友だちの悲しい気持ちや、辛い気持ち、怒っている気持ちを受け止めてみてください。そして、できそうであれば「共感」(相手と同じ気持ちをもつ)できるといいですね。
また、お話を聞いてあなたが抱えきれないとき、対応に困ったときは、あなたの信頼できる大人(家族、先生、その他の学校の職員など)に相談するのもひとつの方法です。
そもそも「悩みを話す」ことは、誰にとっても勇気がいる、ハードルが高いことです。
悩みを打ち明けられなかったとしても、「心配かけたくない」というお友だちの気遣いもあるかもしれません。
どんな理由があるのかは本人にしかわかりません。
無理に詮索はせず、「何かあったら、いつでも聞くからね」といったお友だちを見守る言葉をかけてあげられるといいですね。
頻繁な連絡が負担に思う人もいれば、負担に思わない人もいるため、お友だちがどんなタイプかを見極め、同じ趣味や、共通の話題について声をかけてみるのもよいかもしれません。前よりやり取りが少なくなっても、友人関係がなくなってしまったわけではありません。
「不登校」という状況を気にしすぎず、今まで通りの接し方で話してみましょう。
お友だちのことを気にかけているあなたは、友だち思いで優しい人です。あなたのその優しい気持ちが、お友だちにも伝わるといいですね。
ひとりで抱え過ぎず、信頼できる大人に相談しながら、「お友だちのことを気にかけているよ、見守っているよ」の気持ちを伝えてみましょう。
▼引用・参考▼
東京都 「SOSの出し方に関する教育」を推進するための指導資料について
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/school/content/sos_sing.html
刀剣乱舞(刀剣育成シミュレーションゲーム)
付喪神(つくもがみ)として日本刀が擬人化し、ゲーム上で日本刀を集め、育て、歴史上の合戦場を舞台に戦うゲームです。歴史好きの人であれば、ピンとくる名刀もたくさんでてきます。なかでも私の推しは、福岡藩主の黒田家に家宝として伝わる「へし切長谷部」。コロナ前は、日本各地の博物館や美術館に足を運び、展示の日本刀を愛でていました。私も日本の文化や歴史を見守るひとりになっているのかもと思うとちょっと嬉しい気持ちになります。<この記事を書いた人>
音楽を聞くのも演奏するのも好きで、ピアノを習っていたため、大学の軽音部ではキーボードを担当していました★