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vol.18-3

悩める児童生徒へのコミュニケーション(教員編)

こころの健康観察

 

<ケース3:教職員編>

これまでは明るく活発な生徒でしたが、最近どこか元気がなく気分の落ち込みがあるようで心配しています。学校不適応に陥る前にクラス担任としてメンタル不調やストレス状況を把握できる手段はありますか?

 

今日のブログは、学校の先生方に向けた、悩みを抱える生徒へのコミュニケーションについてお話します。

 

クラスの雰囲気や運営方法などさまざまなケースがありますが、今回は基本的な知識、対応方法などについてご紹介します。ぜひ、先生方が受け持たれているクラスや生徒さんを思い浮かべながら記事を読んでいただけると幸いです。

 

まず生徒集団をまとめながらも、気になる生徒への配慮や対応などについて関心を持たれ、対応方法を模索されている担任の先生に心理士として頭が下がる思いです。

 

4月ブログ(ストレスって何だろう?(3)「ストレスに気づき、認めるチカラ」)でも紹介しましたが、生徒の精神的不調や、ストレス状況を把握する手段として、学校生活での様子をじっくりと観察していただくことから始めてみると良いでしょう。

 

●学校の出席率はどうか
●遅刻早退はしていないか
●提出物は期限通り出せているか
●授業に集中できているか
●クラスメイトと交流する活動・行事に参加できているか
●保健室の利用は増えていないか
●体調不良を訴えていないか
●忘れ物・なくし物が増えていないか
●以前より元気があるか
●気分の落ち込みがみられないか
●給食を問題なく食べられるか…

 

思春期は、精神的にも身体的にも大きく成長する時期であるため、不安定になりやすい時期と言われています。大人から見れば、気にも留めないようなほんの些細な出来事でも、不調になることがよくあります。時間の経過とともに落ち着いていくことが多いと言われていますが、上記のサインが長く続くようでしたら、何らかの対応や支援をすることが必要になってきます。

 

ここでは、生徒本人に働きかける場合の対応について、簡単にご紹介します。

 

【生徒本人に話を聞く】
周りから注目されないような落ち着いた場所で、先生が気になっている点について、「最近〇〇のようだけど、どうしたの?心配しているよ」「何かあったら教えてね」といった生徒を気遣う姿勢で話しかけられると良いでしょう。

 

ここで大切なのは、指導ではなく、まずは「生徒本人の思いを聞く」姿勢。

大人から見れば甘えや怠けと感じることもあるかもしれませんが、生徒のつらさ、感情はその生徒だけのものです。

 

生徒本人がどのように感じている/考えているのかを、否定せず聞いてあげましょう。守られた環境のなかで気にかける大人がいることを示してあげることが大切です。

 

一度ですべての話が聞けるケースばかりではなく、何度か話しかけたり、話し合いをしたりすることが必要なケースもあるでしょう。話のなかで、「今後どうなりたいか/どうなってほしいか」といった本人の考え、気持ちも一緒に聞けるとよいでしょう。

 

そして「一緒に解決に向けて話し合っていこう」といった次につながる声かけが大切です。

 

思うように情報が得られないこともあるでしょう。先生方ご自身もひとりで抱え込まず、学年主任や管理職、養護教諭の先生方と相談し、チームで生徒を見守っていってください。

 

▼引用・参考▼
文部科学省 「学校における心のケア -サインを見逃さないために-」

https://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/1347830.htm

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<この記事を書いた人>

Aida Saori
臨床心理士
相田 早織
Aida Saori
略 歴
アメリカ、カリフォルニア州生まれ。4歳で帰国し中学2年まで国内、中学3年から高校卒業までの5年間をアメリカで過ごす。学習院大学文学部心理学科を卒業後、日本女子大学大学院人間社会研究科心理学専攻に進学。大学院修了後、児童相談所を経て、私立大学の保健センターに勤務。大学生を対象とした思春期・青年期の臨床に携わる。その後、国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所を経て、現在は教育委員会に所属。スクールカウンセラーとして小学校から中学校までの学校臨床に従事している。
専門分野
思春期・青年期
趣 味
音楽(特にロック系)/映画鑑賞(ゴシックホラー系)/読書(海外SF)
音楽を聞くのも演奏するのも好きで、ピアノを習っていたため、大学の軽音部ではキーボードを担当していました★
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