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vol. 11-1

児童精神科医への道のり

医師を志したきっかけは、高校2年の三者面談での担任の先生からの一言。

 

「絶対、医者になったほうがいい」

 

親が医者であったわけではなく、また医者を多数輩出するような高校でもなかったので、未だに勧めていただいた理由は分かりませんが、将来の職業として初めて意識するようになった出来事でした。

 

その先生の担当科目は物理。当時、理系科目に苦手意識のあった私が難解な物理の問題に時間をかけて取り組む姿を見てのお声かけだったのかもしれません。とにもかくにも、その一言で目標が定まった私は医学部受験の勉強に打ち込みました。


医学部入学後は、空手部とフィルハーモニーのサークル活動に打ち込みました。週末も含め、毎日どちらかの練習に明け暮れる日々。医学部の空手部と他学部混合のサークルで個性豊かな人たちとの交流は刺激的で居心地が良かったのを覚えています。空手部は2年生の夏の試合まで、サークルは3年生の夏の演奏会まで走り抜けました。

 

精神科に興味を持ち始めたのは、医学部5年生の頃のアルバイト経験から。偶然、精神疾患を抱える方からの依頼で生活上のお手伝いをしました。オープンな方で、アルバイトを始めてから精神疾患をお持ちであることを会話のなかで知りました。ご本人に病識はなく治療は中断されており、契約外であっても突然思いついた仕事をどんどん依頼してくるという少し変わった印象のある方ではあったのですが、私の体調を気遣ってくれるような“いい人”でもありました。残念なことに、その当時の自分には精神疾患の知識がなく、仕事以上の関わりはできず、周囲の住民の方や、私と同世代の若者が、一歩引いて関わっていたことを気の毒に感じていました。

 

関わりは多少面倒くさくても、思いやりのあるいい人。精神疾患を含め一面だけを見て人を評価してはいけない。そんな当たり前のことに気づき、精神科臨床に興味を持つきっかけにもなりました。

 

その後、初期研修医2年目の頃、小児科研修を体験。先輩が担当する患者さんの家族が面会に来なくなったり、そもそも医師不足であったり、ケアが必要な子どもたちの実態を目の当たりにしたことが、精神科に加え、児童精神科の専門医取得につながります。

コミュニケーションのワンポイント

挨拶+αをこころがける

高校生の頃の教訓です。緊張したり気後れしたりすると、意外とできなくなるのが視線を合わせての挨拶。一ネタを加えることで挨拶から会話の始まりに変わり、その後の関係性を発展させる鍵になるでしょう。「おはよう!今日の授業楽しそうだね」「こんにちは。今日は良い天気ですね」など話題は何でもいい。場の雰囲気が和み、打ち解けるきっかけになるかもしれません。

<この記事を書いた人>

Funatogawa Tomoyuki
児童精神科医・精神科医
舩渡川 智之
Funatogawa Tomoyuki
略 歴
栃木県出身。山形大学医学部医学科卒業。初期研修医時代の小児科研修での経験が児童精神科医を志すきっかけに。2年間の初期研修を経て、慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室に入局。同医局の関連病院等で5年間の研修の後、東邦大学医学部精神神経医学講座の助教に就任。以来、一般精神科臨床の傍ら、児童精神科医としての臨床、精神病の予防や回復のためのデイケアの診療に携わる。
専門分野
児童精神医学
学校精神医学
予防精神医学
精神科リハビリテーション
趣 味
バスケットボール

中学時代はバスケットボール部に所属。今もシューティング練習だけは続けていますが、現在は観る側でバスケを楽しんでいます。シーズン期間中は、ほぼすべてのNBAの試合をインターネット観戦。職場のある大田区のプロバスケチーム「アースフレンズ東京Z」を応援しています。
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