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こころの専門家リレーメッセージ
ダブルライセンスで
こころとからだの総合ケアを
精神科医・消化器内科医
落 裕太
実は、将来医者になろうと決めたのは高校生活最後の卒業式の日(笑)。
中学・高校とラグビー一筋の生活を送っていた私は、それまで将来を考えたこともなく、医学部の受験勉強どころか普段の勉強すらしていませんでした。けれど、父親が精神科医だったこともあり、自然と頭の中に浮かんだのは「医者」という職業。浪人生活を経て医学部に入学しました。
入学当初は精神科医をめざしていましたが、研修医時代に精神疾患だけでなく身体疾患も診ることのできる医者になりたいと思うように。
「精神疾患の患者さんが持つ身体的な疾患って何だろう?」と調べ始めると、腹痛や便秘など消化器系が多いことがわかりました。ますます視野を広げたい気持ちが強くなり、初期研修医を終えた後は消化器内科医として医師のキャリアをスタートさせました。
消化器内科医の4年間は、私にとって医師としての礎を築く貴重な時間でした。消化器内科領域は悪性腫瘍を取り扱うため、人の死に立ち会うことが多い現場です。患者さんが死に立ち向かう過程で、その心情の変化を幾度となく見てきました。
患者さんが何を伝えようとしているのか。
どのように感じているのか。
そして、医師としてどんな言葉をかけるべきなのか
日々、いのちと向き合う現場のなかでさまざまなことを学びました。
やりがいも感じていたため、消化器内科医に一生を捧げることも考えましたが、この経験を生かすことが、精神科医の父の診療を支え、地域医療への貢献につながるのではないかと思い、精神科医に転科。そこから精神科医になるための勉強を始めました。
もちろん精神科にも教科書はありますが、精神科医にとって一番大切な、患者さんとの関係性を築くための決まったノウハウはありません。精神科に入局してからはべシュライバー(カルテ記載係)としていろんな先輩医師の外来に入り、さまざまな患者対応を目や耳で覚えていきました。そこに自分なりのアレンジを加えたのが現在の診療スタイルにつながっています。
「オンライン健康相談」の枠組みのなかでは“診断”はできませんが、消化器内科医と精神科医の経験を生かしたアドバイスや生活上の注意点をお伝えすることができます。
“ココロとカラダはつながっている”とはよく言われるフレーズです。しかし、例えば、お腹が痛い原因がこころの病とつながっていることもあれば、身体的な病のケースもあります。
こころとからだの変化を見逃さず、総合的にケアできる医師でありたいと考えています。
「信は力なり」
大ヒット学園ドラマ『スクールウォーズ』のモデルとなった、伏見工業高校ラグビー部顧問 山口良治(やまぐちよしはる)先生の言葉です。本来、人は弱いものであり、楽な方に逃げる天才である。それでも、人が何かを成し遂げるとき、「自分はできる」と信じることが大切です。
自分自身もネガティブになりがちなとき、とても励まされている言葉です。
<この記事を書いた人>
うつ病全般
中学から大学までずっとラグビーを続けていました。今はもっぱら観戦側。現在のルーティーンは週3回の7kmジョギングです。