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vol. 1-2

待つだけでなく、会いに行く

社会全体の取り組むべき課題として挙げられているのが、若者世代の自殺です。ここ10年間で見ると、1万人以上、自殺者は減っていますが、小中学生の自殺はわずかですが増えています。子どもの人口が減るなかで微増している現状は、自殺の危機に瀕する子どもたちが増えているということ。そこにどう働きかけられるかが大切です。

 

ここ数年、メディアを中心に発達障害の概念について取り上げられることが多くなりました。なんとなく“生きづらさ”を感じていた子どもたちが周りに支援を求めやすくなった時代ともいえます。けれども、個人的には、ラベリングされやすくなり、これまでは「個性的だよね」と言われていたことも、今はむしろ偏見を助長させてないかと気になっています。

 

しかし、普段の診療では、専門家として目の前の子どもの苦しみにどう寄り添えるかを念頭に、子どもたちにとって生きる指針になればという思いで臨床にあたっています。

 

一方で、医療機関にわざわざ出向くことが難しく支援を受けられずにいる方も、まだまだ多いという現状はあります。

 

日本では子どもを診る児童精神科医が圧倒的に不足しています。地域によっては初診の予約が数か月先から半年先、病院に行くのに2時間、待って2時間なんてことも。なんとか診療にこぎつけても検査が間に合わないなど多角的な支援につながりにくい現状があります。

 

また医療は待つ立場。悩みを持つ子どもやご家族が勇気を持って来院してくれないと私たち精神科医はお会いできないのです。でも子どもたちが悩んでいることは、学校や家庭など生活に近いところにあります。さらに診療や相談に興味を持っている教員の先生方でさえ、忙しくて会うことも難しい教育現場の実態があります。

 

Welcome to talkのオンライン健康相談は、学校が契約者、利用対象は生徒だけでなく、保護者や教職員も含まれるため、物理的・費用的な負担を解消しながら、忙しい先生方の相談にも乗ることができます。それに、現代の子どもたちはLINEやツイキャスを通じて会ったことがない人と話すことに比較的慣れています。

 

利用者のみなさんには、スマホを使って自宅で相談できる手軽さ・気軽さを最大限に活用してもらいたいと思っています。

オススメの一冊

『おしゅしだよ』

4コマ漫画・2014年4月発行/著者:やばいちゃん/出版社:KADOKAWA
Twitter
https://twitter.com/oshushidayo?s=20

ろれつのまわらないマグロのお寿司とその仲間たちのお話です。最後の一食と問われたら即答するくらい大好きなお寿司のキャラクターが織りなすシュールな世界観。ほっこりします。

<この記事を書いた人>

Takeshi Kiyoaki
児童精神科医・精神科医
武士 清昭
Takeshi Kiyoaki
略 歴
東京都出身。東邦大学医学部卒業後、同大学医学部精神神経医学講座に入局。2年間の研修医生活を経て大学院入学。大学院にて研究のかたわら、精神病の予防や回復のデイケア、思春期臨床に携わる。その経験から都立高校の専門医派遣事業に関わり、学校保健の実績を積む。以来、一般精神科臨床と同時に、児童精神科医として10年を超える思春期臨床のキャリアを持つ。
専門分野
精神科リハビリテーション
社会精神医学
児童精神思春期青年期精神医学
趣 味
アニメやゲームなどサブカル/バンド活動(ベース担当)
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