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vol.14-3

動き出すエネルギーを待つ

これまでテキスト相談・電話相談・対面相談という3つの形式の相談対応に従事してきました。そのなかでも「テキスト相談」の依頼は多く、ひきこもりサポートネット・いのちの電話・母子相談の窓口で、さまざまな内容のテキスト相談を受けてきました。


テキスト相談のメリットは、電話や対面に比べると、相談へのハードルが低くなることです。 “書く”ことで相談者さんご本人が現状を整理したり、自分の気持ちと向き合うことができるため、少し気持ちが楽になっていることがあります。この言葉はちょっと違うなと読み返して書き直すこともできるため、書くことだけでカウンセリングの効果が期待できます。


私たち心理士が返信で心がけていることは、送ってくださったテキストから相談者の状況や気持ちをできるかぎり想像していくことです。


しんどい思いのなかで届けてくれた勇気を無駄にしない。


お気持ちを受け止めながら、より相談者のことを知るための質問をします。テキストのやりとりを続けて、動き出すエネルギーが出るのを待ってみたり、対面相談に進んでみたり。自分のペースを守りやすいのも、テキスト相談のいいところです。


そして対面相談で特に注意しているのは、否定されない場をつくること。その方の考えや思いを出せる場づくりを心がけています。なんの先入観も持たず、思いを受け止めるマインドが大切だと感じています。


どんな人にもいろんな感情があります。相談される方は、相談せざるを得ない状況に追い込まれて話される場面が多いかもしれませんが、そもそも悩みを言葉にできていることがすごいこと。相談という選択肢を取られたこと、相談して良かったという実感を持ってもらえるよう、心理士として日々奮闘しています。

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コミュニケーションのワンポイント

観察する

コミュニケーション術というと、話す内容やタイミングに意識がいきがちですが、まずは「観察する」ことから始めてみてはいかがでしょうか。苦手な相手でもじっと観察していると、好きな話題や怒りの地雷が見えてくるもの。相手の興味があることから話し始めると、その先のコミュニケーションが広がります。

<この記事を書いた人>

Kuboshima Marie
公認心理師
窪島 麻里江
Kuboshima Marie
略 歴
島根県出身。お茶の水女子大学生活科学部(発達臨床学講座) 卒業後、人材派遣会社に勤務。営業職として派遣スタッフの仕事紹介、相談業務に従事。その後、結婚、出産、育児を経て、東京都ひきこもりサポートネットの立ち上げメンバーに加わる。メールや電話、訪問により、ひきこもりでお悩みのご本人やご家族からの相談に応じる。同時に、いのちの電話メール相談のスーパーバイザー職を兼務。現在は、母子相談員として出産・育児相談のほか、思春期相談にも対応している。
専門分野
思春期・青年期
ひきこもり相談
女性相談
趣 味
ヨガ/ボードゲーム/お笑い

週1回のヨガを続けています。ヨガの先生がつくり出す空間はリラックスそのもの。こころとからだのバランスが整います。自宅にボードゲームは200個ほどあり、頭を切り替えたいときにオススメ。お笑いも大好きで同郷のかまいたちファンです。
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