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vol.12-4

テキスト相談と対面相談の違い

東京都ひきこもりサポートネットの相談方法は、電話・メール・訪問の3種類。生活スタイルや希望に合わせた方法で、ご本人からだけでなく、周りで支えるご家族からも多くの相談を受けていました。


テキスト相談は、会って話すことが苦手な人も、場所や時間を選ばずいつでも気軽に書き込むことができます。書くことで気持ちを吐きだしてスッキリする効果もあります。そして最大の特徴は、自分のおかれた状況を客観的に見ようとするきっかけになることです。テキストにすることで、自分の気持ちを距離をもって眺めることで「ひとりだけで抱えることなく」「気持ちの整理をする」ことにつながります。


電話相談は、テキスト相談に比べ、より心理的距離が縮まります。電話器と耳の距離間で話し聞くことは、思っているよりも相手を近くに感じられます。


そして対面相談は、表情や仕草など非言語情報も加わりコミュニケーションに近づきます。


スクールカウンセラーとして関わる教育現場では、GIGAスクール構想で1人1台端末も整備され、タブレット端末やオンライン環境を活用した授業や学力試験、生徒会活動などが始まりつつあります。不登校生徒の支援においてもICTの活用が期待されており、試行錯誤をしながら手探りで取り組んでいるところです。


Welcome to talkのオンライン健康相談は、オンラインならではの気軽さに加え、対面相談はハードルが高いと感じている方や、専門機関の予約待ちが数か月先となっている方には最初の相談の場として利用していただける強みがあります。


教員の先生方にとってのメリットは、連携つまりチームプレイを実現できること。


子どもは一番話しやすい人に話します。

 

学校の先生は子どもの変化に気づきやすい立場にあり、相談を打ち明けられることも多いでしょう。だからといって、最初に話を聞いた先生や気づいた先生がすべてを対応するのがよいとは限りません。


Welcome to talkオンライン健康相談を活用し、生徒本人と関わりのある教員や管理職、医療の専門家と連携することができます。結果として、本人の抱える課題の解決につながりやすいでしょう。


スクールカウンセラーの立場からも効果的に医師につなぐことは欠かせないことであり、相談者にとっても心理士か医師かの選択肢が増え、相談できることはこころ強いと思います。


こうしたオンラインの手軽さと医療連携のほか、withコロナの新しい日常においてマスクなしで話せることも大きなメリットだと感じています。


毎日の生活のなかで感じている些細なことも、ぜひWelcome to talkで気軽に話してみてください。

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コミュニケーションのワンポイント

コミュニケーションはキャッチボール

コミュニケーションはキャッチボールのようなもの。いきなり鉄球を投げたら相手はびっくりして受け取れないし、高すぎたり低すぎたりするボールも相手には届きにくい。相手のちょうど胸の前あたりに、優しく受け取りやすいボールを投げるようにするとキャッチボールが続きやすくなります。

<この記事を書いた人>

Hara Mihoko
臨床心理士・公認心理師
原 美穂子
Hara Mihoko
略 歴
愛知県出身。大学在学中に交換留学を経て、卒業後、通信会社に勤務。東日本大震災を機に臨床心理士をめざして退職。武蔵野大学大学院では、被害者支援やトラウマケアの研究、学校における危機管理や緊急支援対応などの実践的な活動を行う。東京都ひきこもりサポート支援、神奈川県性被害支援センターで心理相談に携わるなど、一貫してこころケアの現場に立つ。現在は、スクールカウンセラーとして児童生徒や保護者、教員の心理相談のほか、精神科クリニックにて幅広い世代を対象にカウンセリングを行っている。
専門分野
臨床心理学
学校臨床
トラウマケア

▼紀要論文
「自然災害時に子どもの心のケアに携わる教員のニーズに関する研究 : 関東圏で東日本大震災を体験した教員のインタビュー調査」
http://id.nii.ac.jp/1419/00000250/
趣 味
旅行/スポーツ観戦/F1観戦
のんびりした田舎で遺跡巡りの旅もいいし、都会の美術館やショッピングも好きです。スポーツはライブ観戦がいいですね。大好きなF1レースの爆音はたまりません。
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