BLOG

vol. 10-2

コミュニケーションに悩む子どもたち

専門は精神科一般です。


大学病院に勤務していた頃は、思春期デイケアが併設されていたこともあり、児童・思春期の入院患者さんも多く受け持っていました。現在は外来で幅広い年齢層の患者さんと接していますが、10代の通院患者さんも多くいらっしゃいます。


最近では、友だちや家族、学校の先生など、周りの人との人間関係から悩みを抱える子どもたちが多いように思います。学校で、友人だけではなく、学校の先生ともコミュニケーションをうまく取れないと悩み、その悩みを誰にも打ち明けられない。


実際にコミュニケーションが取れないことのほかに、うまくいかないと思い込んでしまっているようにも感じます。相手に確認せずに諦めてしまったり、おとなしかったり、相手の気持ちを気遣う優しい人のほうが思い悩む傾向があります。


話してもすべてが解決するとはかぎりません。でも、誰かに話したり相談したりすることで、ひとりで抱え込み続けるよりも気持ちが少しでも軽くなるチャンスがあります。子どもたちには「周りに相談することは決して迷惑ではない」と伝え続けていきたいと思っています。


児童・思春期臨床では、ともするとお子さんを連れて来院された親御さんが「本人がこう思っています!」と話し倒してしまうことも。初対面だったり、引っ込み思案だったりと、親御さんにヘルプをお願いすることもありますが、できるだけ子どもたちの生の声を聞くように努めています。


また自分自身が親になったことから、逆に親目線になりすぎないよう心がけています。「自分の学生時代はどうだったかな?」「どう感じていたかな?」と問いかけ、子どもたちと接するようにしています。


仕事のやりがいは、やはり患者さんが元の生活に戻ることができたとき。調子が良くなると「あんなこと言っていましたよね」と不調だった頃のことを自ら振り返られることもあります。外来勤務のクリニックでは、調子が良くなり、外来を卒業される方もいらっしゃいます。笑顔でお別れできたときが、一番ホッとする時間です。

コミュニケーションのワンポイント

ネガティブな言葉を使わない

「これをやらないと、叱られるよ」ではなく、「これをやると、楽しいことが待っているよ」と相手に伝えること。難しいと思われるかもしれませんが、意識すると意外とできるものです。ポジティブな言葉は、自分も、相手も、心地良い気持ちにさせてくれます。ただ…私自身も2人の子どもに対して“ちょっとだけ”できているので、引き続き、頑張ります(笑)。
NEXT

受診前の一歩。窓口としての活用を(9/16更新)

<この記事を書いた人>

Yamamori Sachiko
精神科医
山森 佐智子
Yamamori Sachiko
略 歴
福島県出身。東邦大学医学部卒業。初期臨床研修の後、同大学医学部精神神経医学講座に入局。東邦大学医療センター大森病院では、一般精神科臨床と並行し、同大学病院併設の思春期デイケアにて児童・思春期臨床に携わる。8年間の在職中、精神保健指定医・精神科専門医を取得、妊娠・出産を経て2児の母になる。現在は、メンタルクリニックにて主に外来診療に従事。10代から中高年まで幅広い年齢層の症例に対応している。
専門分野
精神科一般
趣 味
バレーボール/ヨガ

中学・高校・大学はバレーボール部に所属。夏の海で部活の仲間とビーチバレーをしたこともいい思い出です。社会人になってから習い始めたヨガは、呼吸やリラックスなど、日常から少し離れた感覚を味わえます。
関連記事