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vol. 7-2

子どもたちの居場所づくり

「フリースクール」は、海外では授業料無償の公立小学校、オルタナティブ教育の理念に基づく学校など、国ごとに意味合いが異なります。一方で、日本では、シュタイナー学校、フォルケホイスコーレなど、ヨーロッパ新教育運動の流れを受け継ぐ学校が一部にありますが、もっぱら不登校児の受け皿として、学習支援や居場所を提供する施設、さらに、通信制高校での学習をサポートするサポート校など、不登校の子どもたちを対象とした、既存の学校とは異なる機関や施設が、フリースクールと総称されています。

 

私たち花鶏学苑は“総合支援型”フリースクールとして、学習面・生活面・メンタル面すべてのケアをめざしています。自治体や教育委員会、医療・福祉機関等と連携をはかりながら、子どもたちが安心して過ごせる居場所を提供しています。

 

学費も生活費も困っているご家庭を生活保護支援につないだり、勉強はできるけど将来に悩む子どもたちと進学や就職先を一緒に考えたり、ケースによっては自治体の福祉や支援学校への橋渡しを行うことも。コロナ禍で今は活動が一時中断していますが、まんがイラストサークルと連携し、防犯ポスターを作って地元警察署へ寄贈する自主地域防犯活動に取り組んでいました。

 

高等部の高校生はそのほとんどが学苑に通っていますが、地域の学校長や行政の適応指導教室の先生からの紹介も多い小中等部にはスタッフも対面では会ったことのない児童・生徒もいます。校内SNSを用いて「元気?」など声かけをこころがけています。返事がなくても既読になります。

 

子どもたちにとって安心できる場所とは孤立しない場所。

 

現代は共働きもひとり親世帯も多く、子どもが不登校になると日中は家の中で1人過ごすことになります。話し相手もお母さんだけとなると、その生活から脱することが難しくなります。ひとり親のご家庭はさらに負担が重く、子どもさんの前に親御さんにうつ症状が出て病院につなぐこともあります。

 

最終的には子どもたちが学校に戻ることも視野に入れて支援はしていますが、まずは子どもと家族、ご家庭と学校をつなぐことが私たちの役割と考えています。

 

幸いなことに、就学支援やひとり親家庭支援など、行政の経済的なサポートは増えてきました。

 

ただ、こころの問題になると、行政にも相談の窓口はありますが、学校に行けていない子どもたちが市役所に行こう…とはなりません。私たちのメンタル面のサポートにも限界があります。専門家の医学的なアドバイスがもらえるサービスを探していたときに、Welcome to talkの「オンライン健康相談」サービスを知りました。

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教育の特徴2

「相談内容に合わせたメンタルサポート」

子どもたちのメンタルサポートは複数人体制。オンラインを活用し、カウンセラー経験がある者やスクールソーシャルワーカー、社会福祉士、特別支援教諭の資格を持つ者が、主にオンライン上で相談対応しています。今期よりメンタル不調を可視化するアプリも導入しました。医療の専門家からのアドバイスが必要な際は、子どもたち本人だけでなく保護者や学苑スタッフもWelcome to talkを利用しています。

<この記事を書いた人>

Shirama Masaki
花鶏学苑 学苑長
白間 正基
Shirama Masaki
学校紹介
花鶏学苑
2016年4月、国際NGOのサポートを受けて開校。「慈愛」「希望」「自由」を校訓として、小学生から高校生までの不登校や引きこもり、集団生活が苦手な子どもたちを支援。オンライン環境を最大限に活用し、岩手県や宮古市、広域通信制高校と連携しながら、児童生徒や保護者からの悩み相談、学習支援、進路サポートなど積極的に取り組んでいる。
https://atori-gakuen.com
所在地
岩手県宮古市神田沢町1-6
理念/建学の精神
「一人ひとりの想いを大切に。未来に向かって共に歩む」
生徒一人ひとりと向き合いながら個性を伸ばし、他者をいつくしむ平和と善の心と、豊かな人間性を養う共育をめざします。
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