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vol. 7-1

被災地のメンタルヘルス課題

岩手県沿岸部に暮らす私たちが子どもたちのメンタルヘルス課題を考えるとき、東日本大震災を抜きに語れません。

 

震災から10年を経て、当時小学生だった子どもたちが今や高校生や社会人。しかし、震災当初は症状がなかった児童・生徒が、徐々にひきこもりがちになったり、大勢の場所に出かけられなくなったり、人と対面で話せなくなったりという変化の過程でもありました。ここ岩手県沿岸部エリアでは、震災前と比べると、不登校の子どもたちは増加したと言われています。

 

学苑が位置する岩手県宮古市は本州最東端に位置する町。普通科の公立高校は少なく小学校から高校までほぼ同じ人間関係が続きます。もちろん幼少期からの友人など良い面もありますが、何かにつまずいた子どもたちにとっては、きっかけを掴みづらくなることがあります。本人も周りの大人たちも困惑したまま、身体だけが成長していく。ほかの同級生が進路を見つけて前に進むなか、本人の焦りや葛藤はつのるばかり。普通科以外の進路は、工業・商業・水産高校、もしくは市外や県外への進学ですが、今が不安なのに将来を考える余裕もなく、中学が終わったまま高校に進学しない子どもたちがいます。

 

そして、最近では支援が必要な子どもが増えているように感じます。発達障害とまでいかないけれど教室にはいられないような“グレーゾーン”の子どもたち。普通学級にも支援学級にも馴染めず、学校に居場所がなく家に引きこもってしまうのです。

 

私が子どもたちのメンタルヘルスに関わるようになったのは、学生時代に立ち上げたアニメサークルがきっかけでした。当時はSNSがなく、会員向けの同人誌を制作・発行して郵送していた時代。交流の場としてアニメのアフレコ体験やマンガ体験等の企画・運営も行っていました。同サークル最盛期の会員数は300名ほど。会員には中高生も多く、こころの悩みや進路の相談を受けることが多くなり、何か子どもたちを支援できる枠組みをつくれないかと考えるようになりました。

 

その後、震災を体験し、目に見えてひきこもりや不登校が目立つようになり法人化に乗り出しました。ちょうど私自身も「ひきこもり支援相談士」の認定を受け、カウンセリングや家族面談、進路相談の勉強をしていた頃でした。

 

私も中学時代、不登校になった時期がありましたが、学校に戻るきっかけを与えてくれたのが担任の先生でした。きっかけがひとつでもあれば、そこから先に進めるのが子どものチカラだと思います。

 

花鶏学苑は、リアルに通学してのサポートはもちろん、オンラインを通じても、子どもたちが多様なコンテンツ、多様な人に触れられる場でありたいと考えています。

 

私たちのリソースが限られていること、不登校やひきこもりがちになっている子どもを対象にしていることから、早期からオンライン環境の整備に力を入れてきました。オンラインだからこそ出会えたボランティアの方や提供できるサービスがあります。

 

そしてメンタル面の専門家を探していたときに出会ったのが Welcome to talkでした。

教育の特徴1

「オンライン・遠隔授業」

本学苑では、オンラインを活用した学習支援・授業支援を行っています。教育プラットフォームを導入し、先生・生徒間の学習内容を共有する「双方向授業」を実現。オンラインによる指導のため、人見知りや対面で話すのが苦手な子どもたちも気軽に授業を受けることができます。

<この記事を書いた人>

Shirama Masaki
花鶏学苑 学苑長
白間 正基
Shirama Masaki
学校紹介
花鶏学苑
2016年4月、国際NGOのサポートを受けて開校。「慈愛」「希望」「自由」を校訓として、小学生から高校生までの不登校や引きこもり、集団生活が苦手な子どもたちを支援。オンライン環境を最大限に活用し、岩手県や宮古市、広域通信制高校と連携しながら、児童生徒や保護者からの悩み相談、学習支援、進路サポートなど積極的に取り組んでいる。
https://atori-gakuen.com
所在地
岩手県宮古市神田沢町1-6
理念/建学の精神
「一人ひとりの想いを大切に。未来に向かって共に歩む」
生徒一人ひとりと向き合いながら個性を伸ばし、他者をいつくしむ平和と善の心と、豊かな人間性を養う共育をめざします。
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