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vol. 4-2

あらゆる角度からこころを見つめる

本来は老年精神医学、特に「認知症」を専門としていますが、精神科のことは何でもできる医師でありたいと思っています。


大学院時代は精神病理学の研究のほか、放射線科学教室に学内留学し、ニューロイメージングの研究に携わっていました。現在は脳波を画像化する研究はメジャーになりましたが、当時はまだPET検査でさえ普及しておらず、精神科分野での研究は先駆けだったと思います。


大学病院勤務時は、認知症の専門外来を立ち上げました。当時は、ようやく痴呆から認知症と呼ばれるようになった頃。認知症の専門外来は珍しく、困っている方が相談しやすい場となるように“物忘れ”外来と命名。外来で治験を行いながら、血流を測って効果測定を行い、認知症の早期発見や予防に関する研究に取り組んでいました。


そのほか、大学の校医として、思春期の摂食障害の症例も取り扱っていました。


精神病理研究の師匠が主催の「精神分析セミナー」をサポートするなかで、心理士の方たちとの出会いがありました。臨床場面で心理検査テストを作成するのは心理士さんです。自分も心理学を学んだ方がオーダーしやすいだろうと思い、心理士さんたちと一緒に勉強を始め、臨床心理士と公認心理師の資格を取得しました。


放射線科の学内留学を終えた頃、今度は、大学病院高度救命救急センターへの出向が決まりました。救急センターというと外科のイメージが強いかもしれませんが、救急搬送される方は自殺未遂がらみのことも多く、精神科医はこころとからだ両方のケアにあたります。


精神科の臨床や研究は、生物学的、工学的なことから心理的、社会的なことまで幅広く、まだまだ未知の領域が多い世界です。

 

病気のほとんどが治癒したかしなかったかの治療成績で判断されるなか、こころの病は、いかに付き合っていくかを患者さんと一緒に考えることが大切です。


精神科医にとっても、心身の両方を診て、患者さんの生活に寄り添うことが魅力であり、やりがいです。信頼関係を築きながら、こころの専門家としてサポートいきたいと考えています。

好きな言葉・格言

「適当」

だいたいのことは適当でいい。いい加減と捉えられがちなワードですが、何事もやりすぎてもやらなさすぎてもダメで、“ちょうどよい”ことが大切です。
そう思えたのは、実は患者さんがきっかけ。「そんなん適当でいいやん」と言い続けていたら、「そう言われて助かりました」と言われることが多々ありました。張り詰めたこころには、気持ちがラクになる言葉のようです。

<この記事を書いた人>

Yoshida Tsunetaka
精神科医・臨床心理士・公認心理師
吉田 常孝
Yoshida Tsunetaka
略 歴
大阪府出身。関西医科大学医学部卒業後、同大学精神神経科学教室に入局。翌年、同大学院入学。精神病理学のほか、放射線科学教室に学内留学し、当時先駆けとなるニューロイメージングの研究に携わる。大学病院にて「物忘れ外来」「家族会」を立ち上げ、認知症の臨床や研究、家族支援に従事。精神病理学の臨床研究として、摂食障害を中心に思春期の症例を取り扱う。関西外国語大学精神科学校医としても勤務。大学病院高度救命救急センター勤務後、2008年に外務省入省。在ニューヨーク総領事館を含む4カ国の海外勤務を経て帰国。2019年より外務省診療所健康管理医(産業医)。
専門分野
リエゾン精神医学
老年精神医学会
産業精神医学(職場のメンタルヘルス)
臨床心理学
温泉療法医
趣 味
ラグビー/旅行
学生時代のポジションは主にプロップやフッカー、ケガ人が出ると時おりフランカー。旅行の趣味が高じて「温泉療法医」を取得。
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