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こころの専門家リレーメッセージ
「その人らしく生きる」をサポート
臨床心理士 公認心理師
濱口 愛
心理士をめざすきっかけとなったのは、高校2年の進路面談で担任の先生から掛けられた一言。「大学で好きな英語と歴史を勉強したい」と話す私に、「人に関する学問に興味があるんだね」と言ってくださいました。その面談を契機に、大学のさまざまな学部について調べ、「心理学」という学問分野があることを知りました。当時の友だちにも「よく話を聞いてもらっているし向いているんじゃない?」と言われ、心理カウンセリングコースのある大学に入学しました。
大学時代は、総合病院の学生ボランティアとしてグループワークに参加。月2回、統合失調症の集団療法のレクリエーションのなかで、患者さんと病院近くの公園に散歩に行ったり、一緒に料理をしたりしていました。レクリエーションの計画は、現場の心理士の先生が行い、学生ボランティアの取りまとめも担当してくださいました。患者さんの病状があまり良くないときは、心理士の方の助言を受けながら対応していました。
また、児童養護施設にも月2回の頻度で訪問。施設で生活している子どもたちと一緒に遊んだり宿題をしたり。それぞれの学生ボランティアに担当の子どもがつき、私も一人の小学生を担当していました。養護施設の子どもたちは、虐待や育ちの環境から施設に預けられ、普段は集団生活を送っています。施設の方が「子どもたちに1対1の活動時間を作ってあげたい」とお話しされていたことがとても印象的でした。1対1の活動時間は、大まかな遊びや勉強は決まっていますが、基本的には自由な時間です。担当児童との時間をどのように過ごすかをあれこれ考えながら接していたことが、私のカウンセリングの原体験になっています。
さまざまな現場で働く心理士の方のお話を聞くなかで、私も「その人らしく生きる」を支える心理士という仕事に就きたいと思うようになりました。
『日々是好日(にちにちこれこうにち)』
映画の原作となった小説のタイトルです。この言葉には、1日1日を大切に生きるという意味がありますが、小説には、晴れの日も雨の日も、どちらが良い悪いということではなく、それぞれの良いところに目を向けることが大切と解説されています。毎日が良い日だと思い込む必要はなく、いい日も悪い日もあるが、そのまま受け止めて生きていこうというメッセージが込められています。「雨の日もあるよね。でも雨でもいいじゃん。雨の日でも良いことがある」というスピリット。こうした心持ちが大切なように思います。<この記事を書いた人>
発達相談
認知行動療法
良い映画には名言がつきもの。アニメでもミステリーでもキャラクターが放つ名セリフに感動します。去年のイチオシは『THE FIRST SLAM DUNK』でした。家の近くのカフェのソファ席でゆったりするのも好き。無心になってリラックスできます。