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vol.20-3

教育相談と発達検査

大学院在学中は、東京都ひきこもりサポートネットにて電話相談やメール相談、ときに、ひきこもり当事者の自宅を訪問し子ども本人や保護者の方のご相談をお受けしていました。

 

その後、小学校のスクールカウンセラーとして勤務。赴任した当初は校内に相談室もない状態だっため相談体制の立ち上げから関わりました。保護者の方からは主に発達相談や適応障害、不登校に関するご相談をお受けしていました。

 

児童本人と関わることも多く、一緒に遊びながら話を聞いたり、不登校傾向のある児童のセラピーを行っていました。相談室登校の児童とは関係づくりが第一歩。段階的に学校に足を運び、学校で良い体験を積んでもらいたいという思いで臨んでいました。

 

現在は電話による教育相談と発達検査に携わり、高校生以下の児童・生徒本人や保護者の相談に応じています。

 

相談業務では、1回きりの相談であっても、相談者の情緒の変化を感じ取ることで、心理士としてのやりがいを感じます。本来は時間をかけて変容する必要がありますが、1回の相談が無意味かというとそうでもなく、小さなつまずきであれば、そこに立ち止まれる可能性があります。

 

生徒・児童からの相談は友人関係・対人関係についての相談を多く受けています。また、希死念慮を含む、“生きづらさ”の相談も少なくありません。その場合、家族関係の相談にいきつくことが多いように感じています。受験が近づくと、進路に関する相談も増えていきます。

 

保護者の方からの相談で目立つのは、不登校相談、反抗期などの思春期特有の問題や、発達障害に関する相談です。電話相談においては、学校とのトラブルについての相談も少なくありません。いじめのケースの場合、学校が十分に対応していないという訴えが多いように感じます。保護者が感情的になっていると、時おり、肝心の子どもの意思が置いていかれている状況が垣間見られることも。保護者の方の思いを受け止めながら、学校との話し合い方を提案することもあります。

 

発達検査では、発達障害の診断に活用されるWISC-IV(ウィスク・フォー)を主に行っています。発達検査は、数値結果だけでなく、検査時の態度や雰囲気に関する所見を組み合わせて総合的に評価します。検査結果は、「特別支援教室」で指導する学校の先生方や保護者の方が児童と接する際の参考として活用されています。

 

こうした検査結果や行動から情報を統合して考えるプロセスにやりがいを見出しています。教員の先生方は、学級運営や障がいを抱える児童・生徒との関わりについてお困りごとありましたら、ぜひご相談ください。

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私のリラックス法

何もしない日をつくる

「今日は何もしない」と決めて、スケジュールを一切入れない日をつくっています。意識せずにダラダラ過ごすと、なんとなく時間を無駄にしたような罪悪感が残りますが、「ダラダラする」と決めると心身ともに休むことができます。みなさんも時には「何もしないこと」をぜひ楽しんでください。

<この記事を書いた人>

Kikuma Shintaro
臨床心理士・公認心理師
菊間 慎太郎
Kikuma Shintaro
略 歴
神奈川県出身。学習院大学大学院人文科学研究科臨床心理学専攻博士前期課程修了。大学院在学中より東京都ひきこもりサポートネットにて電話・メール相談・アウトリーチ(訪問支援)事業に従事。大学院修了後はダイヤル・サービス株式会社にて電話相談員、目黒区スクールカウンセラーとして小学校勤務、小平市就学相談室にて発達検査員として勤務する。これまで主に教育相談、不登校・ひきこもり支援、発達検査に携わる。
専門分野
学童期・思春期・青年期
ユング心理学
ロゴセラピー
趣 味
映画鑑賞/音楽鑑賞
映画レビューサイトに500以上のレビューを投稿しています。特に好きなのは、アカデミー国際長編映画賞『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督の作品。人が変容していくさまが丁寧に描かれ、セラピーのプロセスに近いものを感じています。
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