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vol. 5-3

“こころのものさし”は、人それぞれ

子どもや保護者から不登校に関するご相談が多く寄せられています。子どもたちから「ストレス」という言葉を耳にすることも多々あり、時代の変化を感じています。

 

そのほか、保護者の方からの相談で多いのは、子どもの発達について。生まれたときからインターネットやスマホがある現代の子どもたち。保護者世代が思春期に体験したことや状況の変化から、親御さん自身も対応に戸惑っているように見受けられます。自分が経験していないことに対して不安に思うのは当然のこと。ただ、子どもの不安に立ち入ることができない保護者が増えている点が気がかりです。もう少し踏み込んでもらえるようなお手伝いができればと考えています。

 

子どもたちのカウンセリングにおいて心がけているのは、どう思っているのか、気持ちを聴くこと。

すぐにわかろうとせず、決めつけず、「困り感があるのだろう」という心持ちで話を聴くようにしています。

行動面だけを見ると問題が多くても

「それが何を意味しているのか」
「どうしてそういう行動をとるのか、とらざるを得ないのか」

と子どもの立場に立って考えること。


はじめは「何も話すことはない」と言っていたお子さんがポツポツと話し始めることがあります。


メンタルヘルスの問題は特別なことではなく、誰しもそうした問題を抱える可能性があります。臨床心理学では、こころの正常と異常には厳密な境界がなく、さまざまな基準(ものさし)があると考えられています。子どもたちにとって、学校という日常生活の影響が大きく、教育と医療がうまく手を携えて子どもたちのメンタルヘルスに取り組んでいけたらと考えています。


成人の方のカウンセリングを行っていると、問題が今起こったのではなく、もっと前の幼少期や思春期から抱えながらも、誰もその問題に目を向けてもらえなかったことがわかります。心理的なヘルプを求めることは、まだまだハードルが高いのが現実ですが、身近な学校現場で専門的な相談につながる機会があることがとても重要です。


こうした思いが、Welcome to talkがめざす点と一致し、専門家スタッフとして関わるようになりました。

コミュニケーションのワンポイント

相手が思っていることを尋ねてみよう!

「こんなことがあったけど、あなたはどう思う?」と投げかけてみるとよいでしょう。自分が思っていることと、相手が思っていることに違いがあることを知ることができます。傷つけられたくないからと話すことを怖がるよりも、そんな風に思っているんだと受け止めると、相手の理解も深まり、コミュニケーションが広がるかもしれません。

<この記事を書いた人>

Yatsuda Masako
臨床心理士・公認心理師
谷田 征子
Yatsuda Masako
略 歴
新潟県出身。日本海を見ながら育ち、進学を機に上京。一般企業を経て、心理学を学ぶため大学編入学。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科、博士(人文科学)。大学院修了後、東京都ひきこもりサポートネット主任相談員に着任。ひきこもり者やそのご家族の支援の後、日本いのちの電話連盟スーパーバイザーとしてメール相談に従事。その後、帝京平成大学大学院臨床心理学研究科にて、未来の臨床心理士・公認心理師を指導、現在に至る。帝京大学医学部附属病院小児科等で、乳幼児期から青年期までのカウンセリング、相談対応。心理臨床の訓練としてイギリス発の乳幼児観察セミナー受講中。
専門分野
発達臨床心理学

▼紀要論文
「ひきこもりはどのように捉えられているのか: 海外で発表された文献レビュー」
https://teapot.lib.ocha.ac.jp/records/34111#.YF_1cq8zY2w

趣 味
料理(スープづくり)/漫画/猫とのたわむれ
最近お鍋を買い、スープづくりにハマっています。温かなスープで気分もほっこり。大好きな漫画も猫も癒され効果抜群です。
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